最近、ウェブサイト用にクリニック内の写真をたくさん撮ったのですが、使用したのはごく一部。
せっかくなのでこちらで大公開(?)します!
非常に完成度の高い施設だと自負している、当クリニックの細胞培養室(クリーンルーム)のお話です。
クリーンルームには4原則というものがあります。
1.持ち込まない
2.発生させない
3.ためない
4.除去する
あ、主語は「粒子」です。
つまり、チリやホコリや微生物のことですね。
花粉10〜100μm、細菌0.5〜10μm、タバコの煙0.01〜1μm、ウイルス0.01〜0.1μmというのが代表的な粒子です。ちなみに1μm(マイクロメートル)は1000分の1mmです。

さて、これらをクリーンルーム内に「持ち込まない」ようにするには、どうするか。
まず、室内に送り込む空気はHEPAフィルターを通すことでキレイにします。
0.3μm以上の粒子を99.97%以上取り除きます。
それだとウイルスが通過するじゃない!と言う細かい方、通常、ウイルスは1〜10μmほどの他の粒子に付着して浮遊しているので、そのサイズを捕集できれば良いのデス。
このHEPAフィルターを何度も通すことで、普通の室内だと1億〜10億個(※)ほどもある粒子が、最終的に3520個以下にまで減ります。そのキレイな空間で細胞を培養します。(※1㎥の空間に漂っている0.5μm以上の粒子の数)
これがどのくらい「何も無い空間」なのかという話ですが、どこかで見た例えをパクると、「太平洋の中に魚が3520匹以下」ということだそうです。
…ちょっと微妙に分かり辛いですね(笑)

もう一つ、「持ち込まない」ために大切なのが、クリーンルームの気圧を陽圧に保つということです。常に空気を送り込んで室内の気圧を高くしておけば、ドアを開けた時に部屋の内から外に空気が流出するので、外の汚れた空気は入り込めません。
ちゃんと圧力差が出ているかどうか、このように各部屋の気圧をモニターしています。
ただし、イケイケドンドンで空気を送り込んでいると、室内の圧力が高くなり過ぎて出入口ドアの開閉が困難になるため(強風の時にドアが開かない、閉められないのと同じです)、下のようなガス抜き装置で室内の気圧を一定に調節しています。
今回はここまでです。
次回は「最強のゴミ発生源」、衝撃の事実から!(笑)
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お席にまだ余裕があります。
ご興味のある方はお早めにお知らせください。
お待ちしております!
ジェイヨシダクリニック
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