こんにちは!
J.YOSHIDA CLINICの吉田です。
先日クレジットカードが利用可能になったのと同時に、フリーダイヤルもご利用いただけるようになりました。開院以来、皆様には大変ご不便をおかけしてまいりましたが、ようやく最低限必要なインフラが整って少々ホッとしています。
さて、当クリニックは細胞を用いた皮膚治療に特化したクリニックですので、そのためのインフラもしっかりと整えています。絶対に必要なものは無菌空間で細胞培養が可能なクリーンルームですが、これはさすがに開院前に準備完了していました。
…で、実は他にもちょっと変わったものを用意しています。来たるべき再生医療時代に必須?かもしれないシロモノです。(まあ、細胞を扱っている研究室などでは普通のものだと思いますが…)
「細胞を−196℃に凍結保存したまま輸送するための専用容器」です。
細胞を半永久的に保存するには−196℃の超低温で凍結保存する必要があります。ですので、凍結細胞を輸送する際も当然、輸送容器に液体窒素を入れて−196℃を維持する必要があります。ですが、なにせ「液体」ですから、輸送中にこぼれる心配があります。こぼれると周囲のモノが凍結したり触れた人が怪我をします。…それはマズイ。
容器のフタをきっちり閉めれば良い、と思われる方もいらっしゃるでしょうが、それをやると絶え間ない液体窒素の気化によって容器内の圧力がどんどん上昇し、最悪爆発する恐れがあります。…それも非常にマズイ。
しかし!この容器は液体窒素を吸着する特殊な吸着材が使用されているため、輸送中に液体窒素が漏れる心配がないというスグレモノなのです。フタの構造も密閉できないようになっています。そしてつい先日、当クリニックで治療を受けるために他のクリニックに保存している細胞を移動したい、という患者様方のご要望があり、早速この容器の出番がやってきました。
写真はその準備のために液体窒素を充填しているところです。実はこれが結構大変な作業で、最初は容器内の温度が高い(といっても室温ですが…)ので、液体窒素を入れても入れてもすぐに蒸発してしまいます。結局、容器内を−196℃にまで下げるのに大量の液体窒素を費やして1日がかりの作業でした。
ちなみに、実際の細胞移動は先方のクリニック様のご協力もあって、非常にスムーズに何の問題もなく移動することができました。この場をお借りして改めてお礼を申し上げたいと思います。
今回の経験から、そうそう頻繁には細胞移動はできないぞ、ということと、移動そのものは問題なくきちんとできるな、ということがわかりました。もちろん、患者様からお預かりする大切な細胞ですので、私が責任を持ってお運びするのは言うまでもありません。
最後に、個人の嗜好に偏った例えで申し訳ないのですが…
細胞を扱う仕事は酒造りと似ているような気がします。数々の手順を踏まなくてはならず、しかも何一つ手抜きは許されません。なかなか大変ではありますが、私も杜氏と同じ「職人」の心意気でこのクリニックを「名蔵元」にしていきたいと思っています。そうして出来上がった最高の美酒をみなさんと一緒に口にできれば言うことナシです!
ジェイヨシダクリニック
https://www.j-yoshida.jp/
posted by J.YOSHIDA at 03:37|
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